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マンガの技法書やマニュアル本って本当に必要?

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☞プロから見れば無駄だらけ!?マニュアル本ありきのマンガの学び方☜

マンガスクール・はまのマンガ倶楽部/無駄だらけのマニュアル本ありきのマンガの学び方
無駄だらけの「マニュアル本ありき」のマンガの学び方

①マンガに関する「技法書」や「マニュアル本」を とにかく購入して、作品を描く前にまず勉強する。

 

マンガを学ぶのに、まずは様々なマニュアル本を買い込んで勉強する。これには少々問題があります。

それは「マンガを描く」というものが、スキル(技術)の習得やメソッド(技法)を理解するといったような「学習」からだけでは習得できない部分がとても大きいからです。

マンガを描くのに一番大事なこととは何か。

それは、スキルやメソッドを勉強するよりも、まず「実際に描く」ことなのです。

まずは一つの作品を描き上げる、描き切ることなんです。

 

こう聞くとマンガ初心者のあなたは、こう思うかも知れません。

 

「その『作品が描き上げる』ためにこそ、まずそういったマニュアル本を読んで、必要なスキルやメソッドを身につけようとしてるんじゃないか!それのどこがいけないって言うんだ!」

 

ハッキリ言います。その考えがそもそも間違いなんです。

 

こう考えてみて下さい。

あなたが自転車に乗れない人だとします。生まれてから一度も自転車にまたがった事もない。そんなあなたが「自転車に乗れるようになりたい」と思ったとたら、あなたはいったいまずどうしますか?

「自転車の構造」や「乗りこなし方のマニュアル」など、自転車に乗る前にメソッド本を山ほど読んで、それをすっかり頭に入れてから、それからようやく自転車にまたがってみて・・・そんな事をしますか?それで乗れるようになれますか? 

 

あなたはきっとまず、とにかく自転車に乗ってみるんじゃないでしょうか?

自転車にまたがり走れなくてもまず乗ってみる。もちろん最初は上手くいかず、転んだりひっくり返ったりの失敗を重ねてるでしょうが、その失敗から少しづつコツのようなものをつかんでいき、そしてある時突然、嘘のように自転車に乗れる瞬間が来る・・・そんな感じじゃありませんか?

 

 

マンガでも同じなんです。

 

マンガの上達に一番効果があるのは「作品を描き上げる(実践)」ことにつきます

1つの作品を作りあげればその中には、マンガを描くために必要な「スキル」も「メソッド」も「アイデア作り」も「プロット作り」も「ネーム創り」も・・・そしてなによりマンガ初心者にとって、一番大事で一番足りない「経験則」までも、マンガを描くための全てが詰まっているんです。

 

 

同時に一本描き切ることによってその作品は、今の自分に足りない、自分に本当に必要なメソッドやスキルにも気付かせてくれます。

自分に何が必要なのかが分からないまま、ただただやみくもにスキルなどを取り入れていっても無駄も多く、身に付くものではないのです。

 

メソッド本やスキル本が全く無駄だとは言っているのではありません

基本的なスキルが必要なのは当然ですし、自分だけではわからなかった様々なことを知ったりヒントをもらったりするには有効な手段であるのは確かです。

 

ただ、そういったもので学習するのは、自分の中で描きたいものが決まり実際に作品を描き始めてからでいい。

作品を描き始めることで、自分のわからない部分、出来ない部分、弱い部分をきちんと自覚したうえで、技法書によって必要なスキル力を付け作品の中で自分の表現に生かしていく。

技法書はそのように役立てるべきですし、その時初めて大きな効果を発揮するでしょう。

「転ばぬ先の杖」のような使い方では、ほぼ無駄になるだけ。身に付くためには「実践」が必要なんです。

 

また、実はメソッド本自体にも、問題があります。

世の中には、さまざまな「マンガの描き方」のメソッド本がありますが、大体が価格が2000円前後と高価です。しかもそれらの本が、その値段に見合うほどマンガを描くのに役に立つのかといえば「?」のつく本も少なくはありません。

 

デッサン本なのにデッサンの狂っているセミプロの絵を平気で載せているようなマンガ初心者がまだマンガのことをよく知らないのをいいことに、ずいぶんといい加減に作っているなあと思うものも結構あります。

スキルの弱い初心者の不安を煽って購入させようと、実践で大して使わないようなスキルなどをあえて載せてページ数を稼いでいる「ハッタリ本」も少なからず見かけます。

 

もちろん良い本もたくさんあります。ただマンガ初心者には経験がない分、その選定眼がないのが悩ましい所です。画材店に売っていることも多いためか、中身が確認できないのも困りますね。

だからこそ、まずはその本に載っているスキルが本当に自分の役に立つのかを判断できる「経験」を付けて欲しいです。

 

そのようなメソッド本をやたらに買い揃える前に、一本作品を描き上げる方が、ずっとずっと自分のためになります。本格的にメソッド本を買うのは、一本描き上げたあとくらいでいい

作品を描けないことの言い訳のために、自分の不安を誤魔化して安心させるために、メソッドやスキルに逃げているとしたら本末転倒です。とにかくまずは一本の作品を描き切って下さい。

 

次のコラムでは②専門学校やスクールに入学して、マンガの描き方を教えてもらう。ことについて考えます。