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坂道や家の屋根、階段…
世の中には水平でないものが多く存在します。
そんな「傾き」のあるものをパース作画するには、どうやって描けばよいのでしょう。
ここでは傾斜をパースを使って表現する作画法をレクチャーします。
屋根であれ階段であれ、傾きのあるものとは結局は坂です。
坂道の描き方さえわかれば、基本的には屋根や階段は描けるようになります。
そこでまず、坂道の描き方を一番簡単な1点パースで説明します。
まずアイレベルを引いて消失点V1を決め、1点パースで一本の道を作ってください。
この状態ではただの傾きの無い平坦な道ですが、これを「坂道」にしてみます。
まず坂を作りたい部分を、道のAからBの範囲としましょう。
このトーンの部分を上り坂にしてみます。
消失点V1に垂直の補助線を引いてください。
そしてその補助線上の任意の位置にに消失点V1’を設定します。
このV1’が傾斜のための消失点になります。
また、補助線上のどの位置にV1’を設定するかで
傾斜の角度が決まります。
ではこのV1’をつかって作画をしてみましょう。
坂道が立ち上がる位置AからV1’に向かって補助線を引き、「傾き」を作ります。
位置Bから傾斜の補助線に向かって垂直線を引き、坂道の終わるB’の位置を決めます。
補助線に従ってA~B’まで実線を引けば、坂の完成です。
つまりこの作画は、次の図のように平坦なA~Bの部分を立ち上げて、A~B’のような坂を作ったということです。
この作画で注意してほしいのは次の2点です。
①傾斜の消失点V’は必ず平面の消失点Vの垂直線上に存在する。
②傾斜の消失点V’が平面の消失点Vから離れるほど、傾斜の角度は大きくなる。
また、傾斜の消失点V’がアイレベルより上なら「上り坂」、下なら「下り坂」になります。
では次は2点パースによる坂道の描き方を説明します。
多少難しく感じるかもしれませんが、基本的な描き方は1点パースと変わりません。
2点パースをきちんと理解していれば容易に作画できます。
まず、アイレベルを引き、2つの消失点V1、V2を設定します。 そして道の方向をV1方向、V2方向のどちらにするのかを決めます。
ここではV1の方向を道の方向と決め(つまりV2は道の横幅の方向になります)、坂にしたい部分A~Bを作ります。
1点パースのときと同じように、道の方向の消失点V1に垂直の補助線を引き、坂の角度を考えながら傾斜の消失点V1’を設定します。
設定した傾斜の消失点V1’に向かって、坂の立ち上がりの場所から傾斜の補助線を引きます。
これで傾斜面が確認できました。
坂が終わる部分を位置Bからの垂直な補助線をつかって見つけたら、実線で引いて坂の完成です。
基本的には1点パースでの作画と違いはありません。
試しにもう一方のV2方向が道の方向になるパターンで作画してみましょう。
この場合も、V2に垂直の補助線を引いて傾斜の消失点V2’を作るというだけで、やり方は全く変わりません。
このように、2点パースで坂道を作る場合は、基本的には
消失点V1、V2のどちらか一方に傾斜消失点V’をつくって作画をします。
傾斜をさせない一方は水平になるので、そのまま平面の消失点Vに向かいます。
仮にV1、V2の両方向に傾斜消失点を作ってしまうとどうなるか。
結果、両方向に傾斜が出来てしまい、坂道としてはかなりいびつなものになってしまいます。
こういう坂が無いとは言いませんが、かなり例外的なものと考えていいでしょう。