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アナログでマンガを描くとき
一番ポピュラーな筆記具が「つけペン」です。
アナログでマンガを描く場合、実は「黒」で描かれてさえいればOKなんです。
ですからマンガを描くのにミリペンを使う人もいれば、筆ペンなど他の画材を使う人もいます。
画材に何を使おうが、基本的に描き手の自由なのです。
ただ初めてマンガを描くなら、やはり基本になる「つけペン」を一度は使って見るべきだと思いますし
まだまだ一番ポピュラーな道具でもあります。
つけペンが、デジタル全盛の今でもまだ多くのプロが使い続けているのには
つけペンならではの代わりのきかない良さが理由なのですが、それはまた後ほど説明したいと思います。
その「つけペン」ですが、漫画やイラストを描くようになって、初めて使う人がほとんどだと思います。
そこでまずは、つけペンでマンガを描くためには、どのペン先を選び、どう使えばいいのかを知って下さい。
*ペン先を選ぶ
マンガで使うペン先で代表的なものは次の4つです。
マンガ制作で使うペン先 主なもの4つ |
① Gペン ② 丸ペン ③ かぶらペン ④ スクールペン |
では、その4つのそれぞれの形と特徴を説明します。
① Gペン
弾力性があり柔らかく、使い手の筆圧を直に描線に伝えやすい。
そのため太い線から細い線まで自在に描き分けられ、使い慣れれば、荒々しいタッチから繊細なタッチまで一本でこなせるペン。
作者のタッチを表現しやすいため、このペンを使う作家は多い。
キャラクターや自然物などを描くのに適している。
② 丸ペン
極細の線が引けるため、髪の毛や斜線、細密な背景や効果線を描くのに適している。Gペンの同様、筆圧による強弱は出しやすいが、太い線を描くのには適さない。
③ カブラペン
もともとはペン習字用のペン先で、先が丸く曲げてあるので
ペンが紙にひっかかりにくくスムーズに線が引けるため、初心者には使いやすい。特徴としては均一線を引きやすい。
④ スクールペン
もともとは製図用のペン先。硬いため細く均一の線が引きやすいので、背景や効果線向き。
逆にGペンなどと違って強弱の線が引きにくい。
どのペン先を選ぶかは、基本的に使う人がどういう絵を描くかなど、使う人の相性やセンス、好みによります。
また、キャラクターを描くのにはGペン、背景には丸ペンやかぶらペン、と何種類かを使い分ける人もいます。
それぞれの特徴を知った上でまずは実際にいくつか試してみて、自分に合ったペン先を見つけましょう。
迷った時はまず、とりあえずGペンを使う事をお勧めします。
*注*Gペンは筆圧によって自由に線の細さを変えられる分、 その筆圧をコントロールする必要があり、それにはある程度の慣れが必要です。 熟練すればこれほど使い勝手のいいペン先はないですが、初心者には少々手こずる難しさもあります。
ペン先を選んだら、次はペン軸を取り付けます。
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*ペン軸の選び方
マンガを描くのに使うペン軸は
基本的に次の3種類の中から選ぶのがいいでしょう。
マンガを描くための主な3種類のペン軸 |
① Gペン、かぶらペン、スクールペン(3つともアーチ形状)のペン軸 ② 丸ペン(筒形状)専用のペン軸 ③ Gペンも丸ペンも両方使える、フリーペン軸 |
それぞれのペン軸の大きな違いは、ペン先を差し込むための「溝」の違いです。
Gペン、かぶらペン、スクールペンのペン先のお尻の部分は同じ「アーチ」状になっていて、それに対して丸ペンのペン先のお尻は「筒」状と形が違います。
そこで本来はペン軸は、アーチ状用のものと筒状用のものの2種類を用意するのですが、その両方を使える「フリーペン軸」なら一本で済みます。
フリーペン軸は、図のように差し込み口の溝が2重丸のようになっています。
お尻がアーチ状のGペンなどは外側の溝に、筒状の丸ペンは内側の溝に差し込むことができます。
ペン軸には長さ、重さ、太さ、バランス、素材なども様々なものがありますが、そのあたりになると、使う側の好みや相性、使いやすさの違いということになります。最初はいくつか使って試してみるといいでしょう。
初心者の人で分からない人は、購入の際に画材屋さんに相談するのもいいと思います。
ではペン先をペン軸に差し込んでみてください。
取り付けたペン先がぐらつかないように、しっかり差し込んで下さい。
その際には、ある程度力を入れて差し込むため、直接ペン先を指でつかんで行うと、指やペン先を痛める場合があります。そういったことを避けるために、取り付けの際にはペン先を直接持つようなことをせず、ティッシュなどでペン先をくるんで行うことをお薦めします。
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では実際に描いてみましょう!
*…その前に!描くための体勢を整えましょう
*まずはインクの位置。
右利きの人は必ず右の奥、左利きの人は逆の左奥。必ず利き手側の奥に置いてください。
これを逆に置くとインクをつけるときに必ず、腕が身体の前を横切ることになり、インクを原稿にたらしたり飛ばしたりするなど、トラブルを起こしやすいのです。
また手前に置くことも、インク瓶を転倒させたりしやすいので厳禁です。
*ペン先は汚れやすく、頻繁にインクを拭き取る必要もあります。
そのための紙ナプキン(キッチンペーパーやロールペーパーも可)を用意しておくこと。
ティッシュペーパーを使いがちですが、薄すぎてインクを拭き取る際に、指を汚しがちなのでお勧めしません。
指を汚してしまうとその汚れが原稿についてしまい、仕上がりが汚くなってしまいます。
*描く側の手の下に敷く「当て紙」も用意して下さい。これは手の汚れや汗が原稿に付かないために敷くものです。原稿に手の汗や汚れが付くと、インクをはじいて描きにくくなったりインクが滲んでしまったりします。
さらに下描きの鉛筆の線に汗が沁み込むと、消しゴムをかけても鉛筆線が消えなくなってしまったりもします。
くれぐれも描いているときに手が原稿用紙に直接触れないようにするのが、きれいな原稿を描くコツなのです。
当て紙に使う紙はティッシュペーパーで構いません。デザイン作業用の手袋をするという手もあります。
*補足*
原稿に手の汚れが付かないようにという意味で、ペン入れの前のシャープペンシルなどでの下描きの際も当て紙をすべきですが、その際の紙はティッシュペーパーではなく表面のすべすべしたフリーペーパーをお勧めします。
ティッシュペーパ-を使うと、下描きの鉛筆線を柔らかく擦り落としてしまい、線が消えるまではいきませんが、原稿用紙全体に鉛筆の粉が付いて黒っぽくなり、線自体ももわっとして、よく見えなくなります。
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*ペン先にインクをつける
体制が整ったらインク瓶のふたを開け、ペン先を浸してインクをつけます。この際ペン先にはどのくらいインクをつければよいでしょう?
目安としては、ペン先の中心に空いている、インクだまりの穴に届くかな、くらいがよいと思います。
つけすぎると多すぎたインクがペン先から漏れて、ボテモレを起こします。逆につけ足りないと描いている途中ですぐインクが足りなくなり、線が途切れてしまいます。
*つけペンで原稿用紙に絵を描く方向
つけペンで絵を描く場合、右利きの人は原稿用紙の左上から(左利きの人は逆の右上から)描くことを勧めます。
これは直前に描いた線の上に手が触れることを避けるためです。
右から描いたり手前から描くと当然のように手が触れやすくなり
せっかくの線を台無しにしたり、原稿用紙や手を汚す原因になります。
つけペンというツールは、液体のままのインクを直接扱うものです。そのためインクが乾くまでは線に触れるとインクが移ってしまうのです。
いかにインクに触って汚すことのないよう作業をするかという事が、つけペンでの作画の基本になるのです。
*では実際に描いてみましょう
つけペンは図のように、紙にペン先を押し当て手前に引くことで
線が描けるようになっています。
最大の特徴は原稿用紙にペン先を押し当てる力、つまり
「筆圧」によって線の太さが自由に変えられることです。
逆にいえば筆圧をコントロールできないと上手く線を引く事ができないため、初めてつけペンを使用するマンガ初心者にはそれが難しく
上手く書けない人も多いはずです。
そこで線を引く練習をしてみましょう!
次のスキルでは、つけペンに慣れるための練習をしていきます。
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