マンガ専門学校やマンガスクール…どうやって学校を選べばいいの?


メリット、デメリットを考えて決めたいマンガスクールの選び方

②マンガを学ぶために専門学校やマンガスクールに入学して、漫画の描き方を教えてもらう。

  

まずマンガの学校に行くことに対しての

マンガ初心者にとってのメリットを考えてみましょう。

 

マンガの学校にはたいてい、プロのマンガ家の講師がいます。

さすがに売れっ子の現役バリバリというわけにいきませんが、

基本的には何年も現役のマンガ家として続けてきた

ある程度の経験則と力量を持つマンガ作家などが、講師として

生徒を教えているはずです。

 

そのプロの目で、あなたの作品を直接評価してもらえる。

あなたの気付かなかった足りないところを指摘してもらい、

指導してもらえる。

プロの経験則から来る様々なアドバイスを直接受けられ、

あなたに足りないメソッドやスキルについても教えてもらえる。

 

そのようなことを踏まえて、

マンガの初心者がマンガの学校で教わるメリットは

次のようなことになると思います。 

 

~マンガの学校に通うメリット~
                                     プロとしての経験値と力量のある講師に、

客観的に作品(あなたの原稿)をフィードバックしてもらえることで、

自分一人では気付かなかったであろう、自分に足りない部分などを

指摘してもらい、その部分をカバーするやり方などを

的確に伝授してもらえる。

また作品制作において、覚えておいた方がいい

スキルやメソッドについて広くまんべんなく教えてもらえる。

 

他にも、マンガ学校に通うメリットの一つとして

「同じ目標を持った者同士が学ぶ場に集う」ことで

自分も頑張ろうというモチベーションが生まれるという効果もあります。

マンガ志望仲間と繋がりを持つことで、お互いに刺激をもらいながら

楽しくマンガを学ぶことができる、というわけですね。

 

良いカリキュラムを持つ学校なら、自分の上達具合も感じられるでしょうし

上達が実感出来れば、モチベーションが維持しやすいでしょう。

 

 また最近は、マンガの学校に「出張編集」という形で、

出版社などのプロの編集の方がわざわざ学校に来てくれるところも

多いようです。

 以前はマンガの持ち込みは、自分自身で出版社にアポイントメント

取り、直接本人が出向くか、または出版社に郵送で送るのが普通でした。

漫画「バクマン」にもあったシーンですね。ですが個人の持ち込みは

ハードルが高いと感じ、躊躇してしまうマンガ初心者も多く、

また郵送の持ち込みでは、直接に編集者の意見を聞く事が出来ない

というデメリットがあります。

 

その点、出張編集は向こうから出向いてくれる分、編集者の方も「見てあげよう」というモチベーションが高く、自分自身でアポを取る

必要もないので、生徒の精神的ハードルも低い。

このように、マンガ初心者が気軽に編集に見てもらえるというのは

大きなメリットだと思います。 

 

また、大手の専門学校では設備の充実なども魅力です。

 

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 では逆にデメリットとしては、どんなことが考えられるでしょう?

 

まず専門学校のような大人数を相手の授業では、基本的には

数人の講師が大勢の生徒を一度に見る形になります。

そうなると、「この生徒にはここが弱いからこのスキルが必要」だとか、

「この生徒のレベルならこのスキルはまだ早い、または逆に必要ない」

など、講師が各々の生徒に充分な個別の対応をしてあげたくても、

現実的になかなか難しいのが現状でしょう。

 

また、まんべんなくスキルを教えてはくれますが、

大勢の生徒を対象とするために「浅く広く」になりがちです。

モチベーションの高い生徒は、その「浅く広く」のギャップを、

自分から講師に食いついていくことで埋めていくのでしっかり

伸びていきますが、漠然と受身で授業を受けるような生徒や、

性格的に引っ込み思案で自分から食いついていけない生徒などは、

本人の望むような上達が見込めるのかどうかは難しいところでは

ないかと思います。

 

また先ほどメリットとして伝えた

「同じ目標を持った者同士が学ぶ場に集う」

ことが逆にデメリットになることもあります。

やる気のない者同志が集まってしまい、

「アイツもやってないから、まあいいか」と、お互いをごまかし合って

ろくにマンガを描かずただ学生生活を謳歌しちゃいました、

で終わってしまう場合もあるのです。

 

本人はそれでもいいのかもしれませんが、本人の夢を支えようと

その授業料を全て親が払っている場合を考えると、少々同情を

禁じ得ません。なぜなら

専門学校のマンガコースの授業料は、決して安いとは言えない

金額だからです。

 

平成30年時点で調べてみましたが

主な大手専門学校で2年制マンガコースに通う時にかかる費用は

次の通りでした。 

 

T学院 270万円(内入学金17万円)
N専門学校 約270万円(内入学金20万円)
横浜D専門学校 184万円(内入学金15万円)
東京D専門学校
226万円(内入学金18万円)
A*M総合学院
230万円(内入学金10万円)
Nデザイナー学院 227万円(内入学金18万円)
Nアニメ・マンガ専門学校 220万円(内入学金7万円)
名古屋D学院 初年度で120万円前後
大阪総合D専門学校 初年度で134万円
九州D学院 初年度で112万円

 

こうしてみると専門学校に通うには、大体2年間で、

200万円前後の出費をみておかなくてはならないことになります。

結構いい車が買える金額ですよね。またこの他に、

教材費などの諸経費がプラスされることが多いのも知っておいた方がいい

でしょう。 

 

かかる費用は授業料だけではありません。

通学の為の交通費がかかります。

自宅から通えない地方出身者であれば、アパートなどの住居代や、

そこで発生する光熱費などを含めた生活費までかかることになり、

そうなるとかなりの金額になることは想像できます。

最近は地方どころか国を超えて来る外国人留学生なども多く、

そんな遠くからも入学してくることに驚きます。

 

これだけ費用がかかることを考えると

マンガを学ぶのに「学校」という方法を選択するときは

専門学校だけでなく、もっと小規模の「マンガスクール」という選択肢

ちゃんと持っておくべきかと思います。 

ほとんどのスクールは月謝制で、ここまでの費用はかかりません。

 これも調べてみましたが、

週1回2時間で月に1万円前後のところが多いようです。

 

また専門学校は、学費を前後期または一年分前納の形をとるので

途中で辞めてしまった場合でも、基本的にお金を返してはくれません

その意味でもマンガへの意思の強さに自信がない人は

とりあえず、辞められる気軽さのあるスクールに行くという

選択を取るほうがいいと思います。

 

スクールは専門学校に比べ、確かに規模や設備に関しては劣っていますが

ことマンガスキルの内容に限っては、遜色がないところも

多いと思います。教えることにそう違いはないはずですから。

そのあたりはマンガスクールのほうが細かいカリキュラムを

公開しているのでしっかり調べて検討すればいいでしょう。

 

ところでマンガの学校を卒業しても、マンガ家になる資格や認定が

取れるわけではありません。

マンガ家の資格というものがもしあるのだとしたら、それは

「自ら描いた作品でお金をもらうこと」で、初めて勝ち取るものです。

 ところがマンガ学校に入学しに来る人の中には

「入学すれば自分をマンガが描けるようにしてくれるのだろう」

と思っているのではないかと思う人がいます。

それは大きな間違いです。

 

「マンガが描くということは、

 描きたいと思う本人が実際に描くかどうか」 です。

いくら良い学校に入学して、優秀な講師が素晴らしい講義をして

漫画の描き方を伝えてくれたとしても、

当の本人が前向きに描こうと思っていなければ、何にもならない

ということです。

 

私がこのことをマンガ初心者に伝える時に使うのが

「クララの論理」です。 

 

「アルプスの少女ハイジ」という物語をご存じでしょうか。

アニメにもなっていて、最近では「家庭教師のトライ」のCMでも

おなじみかと思います。物語の中で、主人公のハイジは、

足が不自由で立ちあがることができない親友のクララに、

何とか自力で立ってもらいたいと思い、心から励まし、応援します。

しかしハイジがどんなに気持ちを込め、どんなに真剣にサポートしても、

クララは立つことができません。

ではどうやってクララは立つことができたのでしょう

 

クララ本人が立とうとしたからです。

 

ハイジの応援はクララの心の支えにさえなったかも知れませんが

結局は本人にその気持ちが無ければ決定打にならないのです。

 

これはマンガ学校の生徒も同じです。

どれだけ講師がヒントやアドバイスを与え、叱咤激励しようとも

本人に描く気が無ければ、ほとんど意味がないということです。

 

ではここでマンガの初心者がマンガ学校に入るときの 

デメリットをまとめてみましょう。 

 

~マンガの学校に通うデメリット~

 「専門学校」は設備が充実している分、学費はかなり高額。

更に別に入学金や諸経費がかかる場合も多い。

また学校の立地条件によっては

通うための交通費、引っ越し代、住居費、生活費の負担も考えておく。

それだけお金がかかるということを踏まえて

自分のマンガへの情熱がどれだけかを

しっかり考えたうえで選ぶべき。 

もっと費用の掛からない「スクール」という選択も視野に入れる。

 

マンガの学校に行くと、学校が生徒にある程度の力をつけてくれるのは

確かです。モチベーションも上がるでしょう。

ただ通う人の心の持ち方次第では、費用対効果(コストパーフォーマンス)のかなり悪い選択になるということは知っておくべきでしょう。

 

どんな学校に行こうが行くまいが、

本人が描かなければマンガへの道は無いのです。

 

コラム5では

③アシスタントに応募してプロから直接学ぶ。

ことについて考えます。