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マンガのパース作画において、実は対象物が「全て同じ方向に位置する(つまりお互いに平行に並んでいる)」ように描いている場合が多いです。
理由としてはその方が作画として簡単だからです。
ところが実際の日常においては、同じ向きにきちんと並んで配置されているものばかりではありません。
では、そのような場合、どのように作画すればいいのでしょう?
ここでは、そのように
「互いにバラバラの向きに置かれた、複数の対象物がある場合のパース作画」
について説明します。
①まずは1点パースで考えてみる
わかりやすく立方体(箱)で考えてみます。
複数の箱がある場合の1点パースの作画は
その箱が全て同じ方向を向いている(平行に並んでいる)場合は、消失点V1を1つ作って、それに奥行き方向が収束するよう作画をします。
この作画は簡単にできますよね。
ところが複数の箱が、バラバラに違う方向に向いている場合はそうはいきません。
実はその場合はその箱の数だけ消失点V1が存在します。つまり消失点が一つではなく複数になってしまうのです。
ここで、ほとんどのパース初心者は混乱します。
「1点パースは消失点が1つだけって言ってたじゃん!オカシイじゃん!」
説明しましょう。
誤解しがちですが、1点パース作画でいう「1点」とは「作画において消失点Vが一つだけ」という意味ではありません。
正確には「1つの対象物に対して消失点Vを1つ持つ」という意味なのです。
ですから、その対象物が複数になれば、当然その数だけ消失点Vも複数になります。
ここでまた、ほとんどのパース初心者は混乱します。
「消失点が複数?いやいやいや、だって今まで複数の箱を描く時だって、
消失点1つで描いてきたじゃん!複数の消失点なんで作らなかったじゃん!」
・・・それは皆さんが通常の作画では、
「複数の対象物が全て同じ向きに並んでいる」という前提で作画をしていたからです。
もう少しわかりやすく説明しましょう。
対象物が同じ向きに並ぶ場合も、実は消失点は一つというわけではないのです。
同じ方向を向いているがゆえに、各々の対象物の消失点が同じ位置に出来てしまうわけです。
つまり各々の消失点が重なり合って共有され、見かけ上1つに見えているだけなのです
ですから、それぞれバラバラの向きの場合は、消失点は重ならないので共有されず、
それぞれに独立した消失点を持つ、ということになります。
(注:アイレベルは変わりませんから、各々の消失点は全てアイレベル上に存在します)
ここで一度まとめましょう。
バラバラの向きに置かれている複数の対象物がある場合のパース作画では
その対象物の「向き」の数だけ消失点が存在することを踏まえて作画をする、
ということになります。
これは2点パース、3点パースについても同様です。
②2点パースの場合を考えてみましょう。
下図のように対象物が全て同じ方向を向いている(平行に並んでいる)場合は
それぞれの縦の奥行き方向の消失点V1も横の奥行き方向V2も重なり合って共有され
1点パースの場合と同じように、見かけ上は各々一つに見えます。
つまり作画上、2つの消失点だけで描くことができるわけです。
この作画は簡単にできますよね。
ところが対象物がバラバラの方向に向いている場合は、基本的にはその対象物の数だけ消失点がある。
この場合の2点パース作画の消失点の数は「消失点V1V2×対象物の数」となります。
まとめです。
パース作画でいう消失点は「1つの対象物に対して消失点Vを持つ」という意味なのです。
ですから、その対象物が複数になれば、当然その数だけ消失点Vも複数になります。
ただし複数の対象物があっても、それが同じ向きである場合には消失点Vは共有され、見かけ上は1つになる、ということです。
以上のことを踏まえて、バラバラの向きのものがある場合のパース作画は行って下さい。
補足1:対象物の向きを変えたい場合
消失点Vの位置を移動させれば、対象物の向きが変わります。右回転したいときは消失点Vは右に移動し、左回転なら左に移動します。
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