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「階段」の描き方~傾斜のパース作画その3~

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☞階段も坂の一種と考えれば簡単!パース階段の作画法☜

階段も坂の一種と考えれば、そのパース作画はそう難しいものではありません

今までの傾斜パースをきちんと理解できていれば、ちゃんと作画できるはずです。

そのレクチャーをしていきましょう。

*パース初心者の方はまず傾斜のあるパース作画その1」に目を通したうえで、こちらを読むことをお勧めします。

この図のように階段のイメージとしては

「坂の上に直角三角柱(直方体を縦方向に2分割で割った形)を並べていった」もの

と、とらえることができれば、作画は簡単です。

では実際に作画の手順を説明しましょう。

2点パースによるパース階段の作画法

2点パースによるパース階段の作画法 ①

まず、階段の向かう方向(V1)を決め

その方向に坂を作ります

「傾斜のあるパース作画その1」で作画法を説明したように

まず基本になる「道」を作り、だいたいの傾斜の角度を決めたら、V1の垂直線上に傾斜消失点V1'を設定

坂を作画します。

 

今までの傾斜パースを理解していれば、

ここまでは簡単に作画できますね?

2点パースによるパース階段の作画法 ②

つぎにまず、階段の「基本」になる

1段目の「段」を作画します。

想定する階段の高さをイメージし描き入れたら

消失点V2方向(階段の向かう方向でない方)に

補助線を引きます。

 

高さが決まれば、自動的に奥行きの長さも決まる

ということを理解して下さい。

2点パースによるパース階段の作画法 ③

奥行きの補助線をつなぐことで

階段の1段目が出来上がりました。

2点パースによるパース階段の作画法 ⑤

この作画はいわば

2点パースでの直方体の作画とほぼ同じなので

簡単なはずです。

2点パースによるパース階段の作画法 ⑥

この1段目を、上に向かって増殖させることで

階段を作っていきます。

 

まず階段の

「角」を通って傾斜消失点V'に向かう補助線を引きます。

2段目3段目…このさきの段の角は全て

この補助線の上を通ることになります。

どうしてでしょう?

 

2点パースによるパース階段の作画法 ⑦

 

それはすべての段の角を通るラインは

その傾斜が坂と同じになるからです。

同じ傾斜ということは

同じ方向に向かうことになる、ということは

それは同じ消失点に向かうということ

この場合は坂の傾斜と同じく、傾斜消失点V'に向かう

ということになるからです。

 

2点パースによるパース階段の作画法 ⑧

この、角を通る補助線ラインを使って

段の高さ方向の補助線と段の奥行き方向の補助線で

簡単に1段目を下から順に増殖していけば

階段の完成です。

 

2点パースによるパース階段の作画法 ⑨

実際に作画をしてみましょう。

どうです?上手く描けましたか?

ただ、この作画手順には一つ問題があります。

この手順では、階段の傾斜を適当に決めて作画をしました。

そうなると、階段の高さと奥行きが作画的に(または実際に使用できる階段として)妥当なのかが

実際に作画してみないと判断しにくい、ということです。

どういうことか具体的に説明しましょう。

例えば、適当に取った階段の傾斜が、この図のように小さすぎてしまった場合

階段の高さに比べて、階段の奥行きが少々大きすぎ

このようなバランスの悪い階段になってしまいます。

逆に傾斜を大きく取り過ぎてしまった場合

階段の奥行きが妙に狭くなってしまい、やはりバランスの悪い作画になってしまいます。

 

では、どう作画すればいいのでしょう?

 

おススメは、まず階段を作画する前に

最初にあらかじめ、どのくらいの段にしたいのかアタリを取るやり方です。

これは先ほど説明した作画法と、手順が少し違うだけで基本的には同じなので

理解は簡単のはずです。 説明しましょう。

先に段のアタリを取る階段パース作画 ①

まず、初めは傾斜を作りません

図のように階段の一段目を、自分である程度

イメージした高さと奥行きで、フリーハンドで描きます。

先に段のアタリを取る階段パース作画 ②

このフリーハンドのアタリによって

階段の傾斜が決まるわけです。

図のように補助線を引き、消失点V1からの垂線との交点から、傾斜消失点V1'が決まります。

先に段のアタリを取る階段パース作画 ③

V1'が決まったら

図のようにもう一方の補助線を引き

これで傾きの補助線が完成です。

ここからは、先に説明した作画手順とほぼ同じです。

段の高さからの補助線ラインをV1'に向かって引き、段を増殖させていくことで、坂を完成させます。

このやり方なら、自分のイメージ通りの階段が作画できるはずです。

 

では実際にパース作画をしてみましょう!

 ここまで理解出来たら、モブパースなど今まで得たパーススキルを使って実際に背景作画をしてみて下さい。

 

例えば、キャラが複数いて階段などがある駅のような背景が描けますか?

階段のある駅にモブキャラのいるパース背景
階段のある駅にモブキャラのいるパース背景

作画例の簡単な説明をしておきます。

*スペースの関係で、消失点V1、V2を近く取った作画になっているために、絵が少々歪んでいます。容赦下さい。

階段のある駅にモブキャラのいるパース背景 ②

奥行き方向の消失点V1と横方向の消失点V2

そして階段のための傾斜消失点V1'

この3つを使ってパース背景の作画をします。

階段のある駅にモブキャラのいるパース背景 ③

この背景にモブキャラを描き入れていきます。

はず基本のキャラクターを置きます。

*実際には背景作画の前には、あらかじめ 基本キャラクターの身長をスケール代わりにして、 アイレベルの高さやドアや階段の段の高さの設定するなどの必要があります。

 この辺りはスクールの「モブパース作画」で

 直接講義しています。

階段のある駅にモブキャラのいるパース背景 ④

キャラをあちこちに配置するためには

基本キャラを3つの消失点などを使い

移動させて描き入れます。

もちろんモブパース作画で使う

「アイレベルでロックオン」の方法も有効です。

階段のある駅にモブキャラのいるパース背景 ⑤

こうすることで

モブキャラを描き入れていくことができます。

配置によってキャラの頭身が狂わないよう

気を付けることが大事です。

 

どうです?上手く作画できましたか?

スキルの上達や会得には、実践が一番大事です。

今まで覚えたパーススキルで、まずはたくさん作画をしてみて

そのスキルを自分のものにして、表現を広げていってみて下さい。